合成二分子膜はさまざまなタイプの化合物から構成されうる。生体脂質と同様な二本鎖型両親媒性化合物に留まらず,三本鎖型化合物や剛直部位をもつ一本鎖型化合物,その他の型の化合物などがある。これらの化合物はいずれも通常の界面活性剤分子の合成法に準じて容易に合成できる。これらの化合物の水分散液については電子顕微鏡観察,示差走査熱量測定,分子量測定を行ない,二分子膜構造の形成を確認することができる。合成二分子膜は生体脂質二分子膜と基本的には同一の物理化学的特性を示すので,分子認識システムを構成するのに有利である。膜表面の特異的な構造は特異的な色素結合部位を与える。また膜表面親水基と分子.イオンとの相互作用かち生ずる分子配向性や相分離状態の変化をスペクトル的に検出し,分子認識を行なうことができる。
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