1987 年 1987 巻 9 号 p. 1699-1704
Friedel-Crafts反応による置換ベンゼンのフェニルスルホニル化を速度論的に研究し,スルホン生成速度定数におよぼす置換基の効果ならびに生成するスルホン異性体の生成割合に対する温度効果を調べた。その結果,スルホン生成速度定数に対してBrown-岡本式が良好な直線関係を与えた。logf=ρ.σ,ここで,反応定数ρは-5.3で電子供与性の置換基ほど反応が速いことがわかった。異性体の生成割合はクロロ-およびプロモベンゼンのフェニルスルホニル化ではp-異性体のみが生成した。一方,トルエンではo-,m-,p- 三異性体,アニソールではo-,p- 二異性体が生成し,反応温度によりその罰合は変化した。トルエンとアニソールの反応温度の逆数と異性体生成割合の対数の直線関係から求めたトルエンo-p,m-pおよびアニソールのo-p位の活性化エネルギー差およびエントロピー差はそれぞれ -0.27kcal/mol, 0.71e.u./mol. 0.92, 1.4, 0.58, 0.33であった。
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