日本化学会誌(化学と工業化学)
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Print ISSN : 0369-4577
臭素-カルシウム-鉄化合物からなる UT-3 サイクルによる熱化学分解水素製造プロセス-カルシウム系固体反応物の設計と反応解析-
相原 雅彦海田 博之山口 勝洋堤 敦司吉田 邦夫
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1988 年 1988 巻 12 号 p. 2031-2036

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抄録

水の熱化学分解サイクル UT-3 の酸化カルシウムの臭素化および臭化カルシウムの加水分解反応について, くり返し反応に最適な固体反応物の調製法を検討し, 熱重量分析法を用いて速度論的研究を行なった。カルシウム系の反応に関しては酸化チタン (IV) をバインダーとしたペレットが強度とくり返しの反応性がよく, 焼成時にできる不活性な三酸化チタン (IV) カルシウム CaTio8 がペレットの立体構造を支え固体反慾物を保持していることを確認した。くり返し反応において, 固体反慈物と生成物のモル容積が異なるためペレットの構造変化が起こり, これが反応速度に大きな影響をおよぼすことがわかった。臭化カルシウムの加水分解は均一反応モデルを適用することができて, 速度式は体積塞準の反応速度 rv(moll/s・m3), 水蒸気モル濃度 CH2O(2mol/m3), 酸化カルシウム初期モル密度 CoCaO(mol/m3)とその反応転化率 X として以下のように得られた。

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