日本化学会誌(化学と工業化学)
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酸化グラファイトの熱分解残留炭素から合成されるフッ化グラファイトの正極特性
中島 剛守家 浩二萩原 理加渡辺 信淳
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1988 年 1988 巻 8 号 p. 1471-1475

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抄録

天然グラファイト (粒度 250~830μm および 61~74μm), 2800℃ で熱処理した石油コークス, 未処理石油コークスから酸化グラファイトを経て残留炭素をつくり, これを室温 ~600℃ でフッ素化してフッ化グラファイトを合成し, その組成, 構造および非水系リチウム電池の正極としての特性を調べた。400℃ で2時問減圧乾燥した残留炭素ほなお 12~25wt% の酸素を含み, 原料炭素より結晶性が低い。フッ素化反応速度は非常に速く, 低温かつ短時間でほとんどの場合 (CF)n が生成し, 得られた (CF)n も炭素材の直接フッ素化から合成される (CF)n より構造が乱れている。その正極特性は従来の (CF)n より優れており, 原料炭素としては高結晶性のフレーク状天然グラファイトが適していることがわかった。

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