本論文は隔膜式レドックスフロー型電池の研究成果の一部をまとめたものである。電気化学的な立場からレドックスフロー電池を考察することにより隔膜式電池講想が可能であることは指摘されている。これを Bi, Pb, Au などの触媒を用いずに 100 サイクル充放電試験を行なうことによって, 概念的段階にあった本電池系を実験室規模の電池の水準で評価した。その結果, 平均充放電電気量効率 96.7%, 水素ガス発生による電気量損失 1.5%, cross mixing による電気量損失 1.8% という結果を得た。また, 充放電曲線の形状から判断した電池性能より本実験系のレドックスフロー電池は, 初期性能を損なうことなく長期聞安定に使用し得る電池系であるとの結論を得た。
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