1990 年 1990 巻 4 号 p. 385-390
ヨウ素酸銀を固定化したカラムを用いるフローインジェクション分析によりt微量塩化物イオンを高感度に連続分析する方法を確立した。すなわち,塩化物イオンとヨウ素酸銀との反応で遊離したヨウ素酸イオン濃度を白金電極(+0.3Vvs・銀円筒電極)と銀円筒電極からなる電流検出器で測定して塩化物イオンを定量する方法である。塩化物イオン濃度が0.5~3ppmの試料を連続100回以上定量でき,さらに天然水中の塩化物イオンの連続分析にも応用できることがわかった。0.002mo1・dm-3硫酸と60%メタノール混合=溶液(流速0.9cm3・min-1)に試料20μlを2分間隔で注入し,ヨウ素酸銀カラムを通過させ,0.8mo1・dm-3臭化水素酸溶液(流速0.54cm3・min-1)と混合コイルで混合して測定するのが適当であった。ヨウ素酸銀カラムはポリ(塊化ビニル)系接着剤に63%になるようヨウ素酸銀を混合し,固形化したものを粒径0.2~0.5mmに切りきざみ,内径1 mm.,長さ5cmに充填したものを用いた.本法は固体ヨウ素酸銀と塩化物イオンとの置換反応をフロー系で連続的に行い,天然水中の微量塩化物イオンが感度よく連続分析できるところに特徴がある。
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