1991 年 1991 巻 12 号 p. 1598-1604
著者らは前報で硫酸賦活ACFが室温で高いアンモニア吸着能を示し,その吸着能がNOを含む空気により常温で再生(NO-NH3反応)できることを見いだしたが,同時に空気中の水分が再生をいちじるしく阻害することを確認した。しかし,ピッチ系活性炭素繊維ACF(大阪ガス(株)製,OG-5A)は他のACFにくらべ,高湿空気中でもわずかながら再生できることに注目した。
本報ではピッチ系ACF(OG-5A)の再賦活条件を検討し,疎水性を向上することにより,湿度の高い空気中のNOでも再生できるACFの調製を試みた。その結果,再賦活処理温度を400℃ で4時間処理したものが,高湿度空気中でも優れた再生性を示すことを見いだした。さらに同ACFではNOを含む湿空気での再生を30分で止め,NOを含む乾燥空気に切り替えて再生を続行すると,NONH3反応の転化率が素早く向上することを認めた。
TPDによる発生CO2,COガスを解析し,CO2量とNH3の吸着能あるいはCO量と再生性との相関を探索し,表面含酸素基とアンモニア吸着能,あるいは湿度の高い空気中でもNO-NH3反応が進行するための疎水性とTPDで発生するCO量との関連を議論した。
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