1991 年 1991 巻 12 号 p. 1624-1631
モリブドリン酸イオン(PMo)とマラカイトグリーン(MG+)は酸性溶液中で反応し発色する。この反応はイオン会合体(MG++-PMo)形成反応であり,生成反応は次のように表される.
HMG2++H3PMo12O40→(MG+)H2PMo12O40+2H+ただしHMG2+はMG+のプロトン付加体を表し黄色(λmax=446nm)であるが,イオン会合体になるとMG++の緑青色(λmax=650nm)になる。MG+はPMoの生成を促進する役割も大きいことがわかった。有機溶媒はPMoの生成促進のみならず,MG+-PMoの生成も促進することがわかった。陰イオン界面活性剤は反応を減速させるが,フローインジェクション分析におけるベースラインのドリフト抑制に寄与することがわかった。反応促進剤とベースライン抑制剤の使用により,短い反応コイルで数ppbの低濃度域まで良好な直線関係を示すFIAシステムを確立することができた。
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