日本化学会誌(化学と工業化学)
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4,6-Diamino-2H-1,3,5-thiadiazine-2-thioneと求核試薬の反応
巣山 隆之斉藤 英夫小山 毅石丸 仁志
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1991 年 1991 巻 12 号 p. 1655-1660

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抄録

4,6-Diamino-2H-1,3,5-thiadiazine-2-thione〔1〕の反応について検討した。〔1〕はアルカリの作用により転位して6-amino-1,3,5-triazine-2,4(1H,3H)-dithione〔5〕になるが,ヨウ化メチルが共存するとdimethylN-(N2-cyanoamidino)carbonimidodithioate〔6〕を生成した。〔1〕と脂肪族アミンとの反応をDMF溶媒中で行うと,室温で黄色の沈殿を生じ,このものをアルカリと処理すると第一級アミンからは1-substituted4,6-diamino-1,3,5-triazine-2(1H)-thione〔2〕と6-(subs・titutedamino)-4-amino-1,3,5-triazine-2(1H)-thione〔3〕が,また第二級アミンからは〔3〕が生成した。一方〔1〕と脂肪族第一級アミンとの反応をTHF還流下で行うと〔2〕の他に置換グアニジン〔7〕と1,3-二置換チオ尿素を副生した。またアニリンとの反応では,酸を共存して行うと高収率に〔2〕を生成した。
なお〔2〕の反応についてもあわせて検討し,たとえば酸加水分解反応により,1-substituted6-thioxo-5,6-dihydro-1,3,5-triazin-2,4(1H,3H)-dione〔11〕を得た。

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