1991 年 1991 巻 6 号 p. 873-878
二酸化炭素(CO2)の電気化学還元に使用することを目的として,Cd修飾Cu電極を作製し,その活性変化と表面状態の検討を行った。CO2還元時にCd2+を共存させ,Cdを電着させることにより,Cu電極をCdで修飾した。Cdの電着量が増加するにつれ,主要な還元生成物は,メタソ+エチレンから,2さらにギ酸へと変化した。電着したCdをアノード溶出法を用いて溶解させ,電着量を溶出に要した電気量として測定した。また溶出電位から,Cdの電着状態を吸着原子とバルク状とに分けて測定した。この結果から,Cdの電着は限界電流条件で,ランダム電着モデルにしたがうことがわかった。電極表面をCdが未電着のCu露出面,吸着原子Cdの面,多層化Cdの面に分け,反応中の各面の割合を,見かけの被覆率の関数として表現した。以上の検討によりメタン,エチレンは露出Cu面iCOは吸着原子Cd面,ギ酸は多層化Cd颪上でそれぞれ生成すると結論された。特に吸着原子のCdはバルクのCd金属とは反応特性が異なることを明らかにした。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。