1991 年 1991 巻 6 号 p. 879-884
キレート樹脂(SX103)の脱臭作用をESR吸収法によって研究した。樹脂はコパルトイオンを中心金属として含むものである。X-バンドESR吸収測定装置によって,NH3とH2Sの吸収とそれによるコバルトイオンの状態変化を観察した。結果を見ると,コバルトイオンには,線幅の狭いESR吸収を与えるもや(Co,nイオンと表記する)と線輻の広いESR吸収を与えるもの(Co,nイオンと表記する)と参あって,bの方がガスの吸着によって酸化状態を変えることが見いだされた。ガス吸取に際して主とレて働いているのはb型のコバルトイオンであることが結論される。また硫化水素は単に吸収されるだけではなく,空気酸化もされ得ることがESR吸収スペクトルの観察から指摘できる。
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