1991 年 1991 巻 9 号 p. 1167-1171
酸化銅上におけるアセトンと水との酸素の接触交換反応の機構を,50~100℃の範囲において,18Oをトレーサーとして研究した。また,反応中におけるアセトンと水の吸着状況を検討するために酸化銅に対する水とアセトンの吸着等温線を50℃ および100℃ において測定した。
アセトンと重酸素水との酸素の交換反応は,酸化銅および酸素で前処理した金属銅上で速やかに進行したが,還元した金属銅上では進行しなかった。また,酸化銅の酸素は水の酸素とわずかに交換するがアセトンの酸素とはまったく交換しないことがわかった。また,酸化銅に対する水の吸着量は,アセトンの吸着量にくらべて約1.5~2倍多いことが認められた。
これらの結果から,酸化銅上でのアセトンと水との酸素の交換反応が酸化銅の表面酸化物層上におけるアセトンの水和反応および脱水和反応の急速な進行によって起こることを推定した。
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