日本化学会誌(化学と工業化学)
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混合希釈剤を用いた多孔質セルロース大型球状粒子の製造と性質
松本 和秋村上 良一本里 義明零
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1992 年 1992 巻 3 号 p. 312-317

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抄録

ジクロロメタンーエタノールを主としてこれとエステルと1-オクタノールの混合希釈剤からなる混合溶液に二酢酸セルロースを溶かした溶液をゼラチン水溶液に懸濁させて,加熱して溶媒を除去し混合希釈剤を含有するこ二酢酸セルロース球状粒子を得た。この球状粒子をメタノールで洗浄し混合希釈剤を除去し,引き続きけん化して多孔質セルロース球状粒子を得た。得られた球状粒子をおよそ74~297,297~500,500~1700μmの範囲に分けて,それらの浸透性をポリ(オキシエチレン)のような水溶性高分子を溶出させることによって測定したところ,排除限界分子量はそれぞれ最高2.8×106,1.0×106,1.5×105であった。混合希釈例の種類と組成比を変えるととによってゲルの多孔質の度合いを調節することができ,特に粒径の大きい多孔質セルロースゲルの調製に適している。

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