日本化学会誌(化学と工業化学)
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-N,N-ジメチルホルムアミド混合溶液でのシステインの接触酸化反応を利用する銅(II)の吸光光度定量
片山 淳伊藤 一男古川 幹夫上舘 民夫渡辺 寛人
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1992 年 1992 巻 3 号 p. 318-321

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抄録

銅(II)の新規な接触分析法を開発するため,水とN,N-ジメチルホルムアミド(DMF),ジメチルスルポキシドおよびアセトニトリルの各非水溶媒との混合溶液中で,銅(II)触媒によるシステアミン,レシステイン,2-メルカプトエタノールおよび2-メルカプトプロピオン酸の接触酸化反応を検討した。その結果,反応溶液として60%DMF水溶液,また,チオールにはL-システインを用いた場合,銅(II)を最も高感度に定量でき,また,検量線の直線範囲も広くなることが明らかになった。銅(III)の定量は,酸化されるシステイン量と銅(III)濃度が対応することから,反応開始20分後の未反応システィン濃度を吸光光度法で定量することにより行った。銅(III)の検量線は0から1.1×10-6Mの範囲で原点を通る直線となった。定量下限は3.9×10-8M(2.5ng・cm-3)であった。なお,相対標準偏差は1.8%(n=5,1.7×10-7M)であった。本法は銅(III)に対する選択性に優れ,本法を工場排水中の銅(III)の定量に応用した。

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