日本化学会誌(化学と工業化学)
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過酸およびヒドロペルオキシドを用いるエチレン1,9-デカジエン共重合体のエポキシ化
栗栖 安彦増山 芳郎加藤 武大澤 啓子森永 博山本 繁治中西 三徳
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1992 年 1992 巻 8 号 p. 840-844

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抄録

側鎖にペンダント状で二重結合を持つ薪規なポリオレフィン共重合体(poly(ethylene-m-1,9-decadiene)(PED)ビニル基含量0.8~0.9mol)のエポキシ化反応を行った。PEDの溶解性はトルエソに対して32gdm-3(90℃)である。反応はPEDのトルエン均一溶液中,およびトルエソ不均一溶液中で行った。酸化剤はかブチルヒドロペルオキシド(t-BuOOH),m-クロロ過安息香酸(m-CPBA)を用いた。
t-BuOOHの場合は遷移金属触媒を用い,均一条件下,90℃ でオレフィンの反応率は65%,エポキシ基への選択率は35%であった。この条件ではポリオレフィンの分子量(Mn:23000,9300,4700)の相違による反応性の変化は認められなかった。また,反応温度60,25℃ ではPEDは溶解せず,オレフィンはほとんど反応しなかった。一方,御一CPBAを酸化剤とする場合,90℃,48時間ではオレフィンの反応率は45%,エポキシ基への選択率は60%であり,25℃ の時,オレフィンの反応率は84%,エポキシ基への選択率は87%であった。
室温付近の低温度(25℃),不均一反応条件で窺一CPBAを用いると高選択率,高収率でエポキシ化PEDが得られた。

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