日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
メタクラウノファンのアルカリ金属イオン輸送挙動
猪熊 精一坂井 繁文加藤 玲子安田 敏昭西村 淳
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 1993 巻 10 号 p. 1148-1151

詳細
抄録

メタクラウノファン(2)および(3)を,アセトニトリル中でのスチレン誘導体の分子内[2+2]光環化付加反応により,簡便に合成した。1H-NMR.スペクトルの結果は,アルカリ金属塩存在下において,メタクラウノファン(3)が優先的にsyn形配座をとることを示唆した(表1)。メタクラウノファン(2)あるいは(3)とドデカン酸の混合物を,クロロホルム液膜系におけるアルカリ金属イオン輸送用担体として使用した際,(3)は芳香環のパラ位にメトキシル基を持つ(2)に比べ高い効率を示し,特にLi+イオンに対して顕著であった(表2)。この事実は,クラウノファン(3)の場合,syn-およびanti-形の配座変化が円滑に行われていることを示している。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top