日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
1993 巻, 10 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 鈴木 敏幸, 芋川 玄爾, 川俣 章
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1107-1117
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    皮膚の恒常性維持には,表皮角質層の水分保持能が重要な因子となっている。著者らは皮膚の水分保持機能に角質細胞間の脂質が大きく寄与していることを明確にし,細胞間脂質を外部から供給することにより,皮窟の水分保持機能が回復することを明らかにした。そして,細胞間脂質の主成分であり,自然界には微量存在するのみであるセラミドと極めて類似した分子構造をもち,同様の立体構造をとりうる薪規な化合物を分子設計により得,合成法を確立し,その工業的な製造を可能にした。また,合成セラミドが他の両親媒性脂質との脂質間栢互作用により,生体の皮膚角質層における細胞間脂質と同じ原理で水を保持した分子会合体を形成することを明らかにするとともに,会合構造を維持した乳化粒子(マルチラメラエマルション)を生成させることに成功した。このエマルションを皮膚化粧料として用いると,皮膚の水分保持機能が回復するとともに角質細胞の落屑や皮膚のパリア能が改善された。すなわち,生体のしくみと同様の原理で皮膚機能を回復させ得る,高機能の生体脂質類似皮膚化粧料の開発を行った
  • 嶋林 三郎, 松本 美穂
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1118-1122
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    2種のヒドロキシアパタイト(HAP)試料(A),(B)を種々の濃度の塩化ナトリウム(NaCl),酢酸ナトリウム(NaAc),あるいは硫酸ナトリウム(Na2SO4)水溶液に懸濁させ(添加濃度2g/dl),溶解平衡に達したのち溶出したリン酸イオン濃度[Pi]とカルシウムイオン濃度[Ca2+]および母液のpHを調べた。[Pi]増大におよぼす添加電解質の作用の強さの序列はNa2SO4>NaAc>NaClとなり,[Ca2+]増大におよぼす添加電解質の序列は逆にNaCl>NaAc>Na2SO4となった。また懸濁液のpH増大におよぼす電解質の序列は[Pi]の場合と同じであった。これらは2種の試料に共通してみられたのでHAPの特性であると結論した。これらの現象はSO42-あるいはCH3COO-とHAP表面のPO4 3-とのイオン交換,Na+とHAP表面のCa2+とのイオン交換,溶出したイオン種とHAP粒子表面によるpHに対する緩衝作用によって説明された。SO43-とPO43-,Na+ とCa2+はそれぞれ電荷は異なるがイオンサイズが似ているためにイオン交換が容易であったと考えられる。SO42-がHAP表面に対して親和性の高いことはHAP粒子のゼータ電位の測定によっても確かめられた。
  • 藤田 隆之, 北島 圀夫, 樽田 誠一, 田草川 信雄
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1123-1128
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    層電荷の異なる合成Na型フッ素雲母[NaxMg3-xLixSi4O10F2:x=1.0-0.4]およびそれらのLi+イオン交換体(Li型フッ素雲母)とOH/Al比の異なる多核ヒドロキソアルミニウムイオン水溶液から複合体の生成を試み,複合体の生成と姓質に与える層間イオン種,層電荷および溶液のOH/Al比の影響を検討した。その結果,層間のNa+ イオンをLi+ イオンで交換するとフッ素雲母の膨潤性が向上し,かさ高い多核ヒドロキソアルミニウムィナンの層間挿入が容易になった。複合体の合成にOH/Al比が20.9の溶液を用いた場合,Li型フッ素雲母の層電荷が大きくなるに従い[Al13O4(OH)24(H2O)12]7+に相当するかさ高いP3種の多核ヒドロキソアルミニウムイオンを層間に挿入することが困難になり,Al単量体が優先的に収容された。一方,OH/Al比が2.48の溶液を用いた場合,層電荷が大きいとP2種に比べてより重合度が低いP3種が挿入されやすくなり,したがって,複合体中の層間物質のOH/Al比は層電荷が大きくなると小さくなった。このように挿入イオン種の比率が異なるのは,単位層電荷あたりのケイ酸塩層表面積と各Al陽イオン種の断面積との大亭関係によって,複合体中に挿入されるイオン種とその配列が決定されるためである。OH/Al比が2.48の溶液を用いた場合,Li型フッ素雲母の層電荷が大きいほど,それから得られる複合体の細孔容積および比表面積が小さくなった。これは,層間の多核ヒドロキソアルミニウムイオンが密に詰め込まれた構造をとり,層間域のミクロ空間が減少したためである。
  • 大石 修治, 神谷 照幸
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1129-1132
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Ca2CllPO4-CaCl2系の高温溶液を徐冷して,塩素スポジオサイト[Ca2ClPO4]と壇素アパタイト[Ca5Cl(PO4)3]結晶を育成した,溶解度測定や急冷法の結果に基づいて,Ca2CllPO4-CaCl2系の相図を検討した。Ca2ClPO4濃度が5mol%の高温溶液(900~1100℃)を5℃h-1で600℃ まで徐冷して,無色透明なCa2ClPO4結晶(最大9mm)を得た。最高保持温度が900と1000℃の高温溶液からは柱状のほかに板状の結晶も生成した。1100℃の場合には板状結晶だけが生成した。形態は異なっていても,これらの結晶は{001},{100}および{110}の各面で囲まれていた。また,Ca2ClPO4濃度が15mol%の高温溶液(1200℃)を1050℃まで徐冷(5℃h-1)した後に急冷して,無色透明なCa5Cl(PO4)3結晶(最大5mm)を得た,この結晶は,両端にピラミヅド状の面が発達した六角柱状で,{1010}と{1011}面で囲まれていた。
  • 高山 俊夫, 横山 悟, 小池 芳雄
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1133-1140
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    各種アルキル基を置換したSchiff塩基のコバルト(III)錯体の幾何構造および溶液中における分子運動を深く解明するために,各種アルキル置換したトリス(N-サリチリデンアルキルアミナト)Co(III)錯体(以下Co(salalkam)3と略記する)を合成し,1H,13C,59Co高分解能NMRスペクトルおよび13C, 59縦緩和時間の測定を行った。まず,二次元NMR(1H-COSY,1H-,13C-COSY,1H-NOESY,1-HOHAHA)法によりCo(salalkam)3錯体がmer形構造であることを決定し,各ピークの帰属を行った。その結果,Co(III)錯体骨格に近い置換アルキル基のメチレン基のプロトンは立体配座の違いによるそれぞれの化学シフトを示した。このことはこのメチレン基部分がCo(III)錯体骨格から強く束縛されていることを示す。そして,この要因がα位分岐アルキル基を有するCo(salalkam)3錯体を生成しない理由であることがわかった。メチル,エチル基のようにアルキル基が小さい場合,Co(III)錯体骨格に直接的な電子効果を与えるが,それより大きなアルキル基ではその効果に差はみられないことが59Co化学シフトからわかった。このことは吸収スペクトルの極大位置のシフト傾向と一致した。次に,13C,59Co縦緩和時間の測定から溶液中でのCo(III)錯体の分子運動について議論した。その結果,錯体骨格に近いアルキル基のメチレン基の炭素のT1値は小さく,運動性が小さくなっているのに対して,メチル基に近いメチレン基の炭素のT1値は大きく,運動性が大きくなっていることを示した。このことは錯体骨格に近いメチレン基は錯体骨格に強く束縛されているが,CH3基に近いメチレン基はかなり自由に動いていることを示す。59Coは四極子緩和を行うために非常に小さい緩和時間を示す。アルキル基が長くなるにしたがって59CoのT1値は小さくなり,溶液中でのCo(salalkam)3錯体の全体の運動性が小さくなっていることがわかった。
  • 山本 恵司, 斉藤 克也, 川島 弘行, 米持 悦生, 小口 敏夫, 仲井 由宣
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1141-1147
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    シクロデキストリン(CD)類とピレンおよび,その混合粉砕物の固体状態蛍光測定を行った。ピレンは結晶単独では470nmにエキシマー由来の蛍光発光ピークを示すが, β-CDとの混合粉砕により400nm付近にピレンのモノマーに由来する蛍光発光ピークが認められるようになり,その相対強度はβ-CDの混合モル比を多くするにつれ増大した。β-CD包接化合物結晶がモノマー発光のみを示すこと,および蛍光寿命解析結果から,β-CDとの混合粉砕によりピレン分子は単分子でβ-CDキャピティーに包接化されると考えられた.γ-CDとの混合粉砕物についてもエキシマー発光とモノマー発光がいずれも認められるが,γ-CD包接結晶がエキシマー発光を示すことから,γ-CDとの混合粉砕過程ではピレン単分子での包接化も可能であるが,主にピレン2分子が包接化されるものと考えられた。キャビティーサィズがピレン分子に比べ小さいα-CDとの混合粉砕においてもα-CDの混合比を多くするとモノマー発光が認められるが,キャピティーを持たない結晶セルロースとの混合粉砕物との比較から,このモノマー発光は包接化ではなく,α-CD分子間にピレン分子が分散したことによるものと考えられた。
  • 猪熊 精一, 坂井 繁文, 加藤 玲子, 安田 敏昭, 西村 淳
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1148-1151
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    メタクラウノファン(2)および(3)を,アセトニトリル中でのスチレン誘導体の分子内[2+2]光環化付加反応により,簡便に合成した。1H-NMR.スペクトルの結果は,アルカリ金属塩存在下において,メタクラウノファン(3)が優先的にsyn形配座をとることを示唆した(表1)。メタクラウノファン(2)あるいは(3)とドデカン酸の混合物を,クロロホルム液膜系におけるアルカリ金属イオン輸送用担体として使用した際,(3)は芳香環のパラ位にメトキシル基を持つ(2)に比べ高い効率を示し,特にLi+イオンに対して顕著であった(表2)。この事実は,クラウノファン(3)の場合,syn-およびanti-形の配座変化が円滑に行われていることを示している。
  • 久保 正昭, 薄羽 恭謙, 石井 昭彦, 星野 正松
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1152-1161
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    (+)-11-Bramavincamine(3)の効率的な全合成を目的として,1-methaxycarbanyl-1-methyl-1,2,3,4-tetrahydro-β-carboline(4)の臭素化反応を検討し,塩酸塩として臭素化することにより6-位に,2-位アミノ基をアシル基で保護することにより選択的にm位に臭素を導入することができた。後者の保護基としてはホルミル基が好適で,HCl/MeOHで脱保護して7-プロモ体(8a)を得た。また,5-プロモ-2-エチルペンタナール(6)は2-エチル-4-ペンテナールのエチレンアセタール(9a)へのラジカル的臭化水素付加によって収率良く合成することができたので,4の1-エトキシカルボニル体(8)との反応を検討し,安息香酸ナトリウム存在下,好収率で vincadiiiormine のエチルエステル(7b)が得られた。この条件を用いて(8a)と(6)との反応によって合成した16-bromo-vincadifformine(7c)を(R,R)-酒石酸を用いて光学分割し,(-)-7cおよび(+)-7cを得た。また,(+)-7c はN,N-ジメチルアセトアミド中で加熱還流することにより効率的にラセミ化させることが可能であった。(-)7cは過酸化水素酸化,N9-オキシドの接触還元,そして酸転位を経て3とそのエピマー(13)とし,混合物のままエピマー化して3を効率よく全合成する製法を開発した。
  • 石山 純一, 戸井 学, 市川 千昭, 大井 秀一, 井上 祥雄
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1162-1166
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ブレビコミン(4)の合成前駆体である2-(1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(2)を,有機溶媒中でリパーゼによる立体選択的アシル化反応により光学分割することにより,光学的にほぼ純粋な(+)-exo-4および光学純度77%の(+)-endo-4が得られた。また,フロンタリン(8)の合成前駆体である2,6-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピランの2-メトキシカルボニル体(5),2-ヒドロキシメチル体(6),2-アモトキシメチル体(7)に対し,それぞれ酵素を用いた速度論的光学分割を適用することにより最終的に光学純度91%の(-)-8が得られた。
  • 五十嵐 喜雄, 渡辺 伸一, 藤田 力, 坂本 昌巳, 渡辺 昭次
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1167-1174
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    マレイミド類は生体内のSH残基と反応することにより酵素阻害を引き起こすことが知られている。N-フェニルマレイミドおよびN-アルキルマレイミド類の一方のカルボニル基をチオカルボニル基に変換したモノチオ類似体(以下モノチオマレイミドと略称する)の抗微生物活性について検討した。分子軌道計箪の結果,モノチオマレイミド類は対応するマレイミド類よりもチオール類との反応性が高いことが示唆されたため,種々のモノチオマレイミド類を合成し,細菌および真菌に対する活性を試験した.モノチオマレイミド類のグラム陽性菌や酵母に対する活性は,射応するマレイミド類と同様であったものの,グラム陰性菌に対する抗菌性は低下した,さらに,N-アルキルモノチナマレイミド類はアルキル鎖長の増加にともない糸状菌に対する活性が低下する傾向がみられた。N-アルキルモノチオマレイミド類のB.subtilisへの抗菌活性相関の検討において,アルキル基の疎水牲置換基定数πと活性に良好な相関がみられ至適疎水性が存在すること,N-エチルマレイミドよりもN-エチルモノチオマレイミドの水-オクタノール分配係数が大きく(それぞれlogP=0.325,および1.909),チオイミドへの変換は化合物の疎水性を大きく増大させることを知った。また,グラム陰性菌の至適分配係数はグラム陽性菌のそれよりもかなり小さいことなどを考慮すると,マレイミド類からモノチオマレイミド類への変換はSH基との反応性の増加よりも疎水性の増加がより大きく影響するために,期待した抗微生物活性を示さなかったものと考えられる。
  • 野村 正人, 多田 貴広, 濱田 敏正, 藤原 義人, 田島 耕一, 大谷 武彦
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1175-1183
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    タイプの異なる合成ゼオライトを触媒として,それぞれ3種類のモノおよびセスキテルペン炭化水素類とC1~C4の直鎖アルコールとの付加反応を行った。その結果,サビネン(1)とメタノールとの反応では,Clinoptilolite型である1010AHおよびHS-USY型であるHSZ-360HUA合成ゼオライトを触媒とする条件において,4-メトキシ4-p-メンテン(9)を75%の生成比で得ることができた。つぎに,イソリモネン(2)とメタノールとの反応では,HSZ-360HUA合成ゼオライトを用いた条件において,4-メトキシ-2-p-メンテン(12)が92%の生成比で得ることができた。さらに,γ-テルピネン(3)とそれぞれのアルコールとの付加反応については,HS-Y型あるいはHS-USY型合成ゼオライトを用いた条件では1-アルコキシ-3-p-メンテン(16)~(18)を選択率良く得ることができた。一方,フムレン(4)とメタノールとの反応では,Mordenite型であるHSZ-640HOA合成ゼオライトを用いて,8-メトキシ-1,4,4,8-テトラメチル-1,5-シクロウンデカジエン(19)を93.6%の生成比で得ることができた。つぎに,β-カリオフィレン(5)とメタノールおよびエタノールとの反応では,いずれもMordenite型に属するHSZ-620HOA合成ゼオライトを用いて,1-メトキシ-4,4,8-トリメチルトリシクロ[6.3.1.02・5]ドデカン(22),1-プロポキシ-4,4,8-トリメチルトリシクロ[6.3.1.02.5]ドデカン(24)を73%~83.9%の生成比で得ることができた。導ンギシクレン(6)の反応ではHSUSY型であるHSZ-360HUA合成ゼオライトを用いた条件では,異性化生成物であるイソロンギホレン(26)とロンギホレン(27)の生成を確認するとともに,C11位に選択的に付加反応が生起した11-アルコキシ-1,2,6,6-テトラメチルトリシクロ[5.3.1.02.8]ウンデカン(28)~(30)および8-アルコキシ-3,3,7,9-テトラメチルトリシクロ[5.4.1.02.9]ウンデカン(31)~(33)を得ることができた。得られたそれぞれのテルペエルエーテル類の匂い評価を実施したところ,(1)から誘導した(9)および(5)から誘導した(22)がとくに香料基材として有用であるとの評価を得た。
  • 川井 正弘, 松本 孝芳, 升田 利史郎
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1184-1187
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アルギン酸は,β-1,4結合したD-マンヌロン酸とα-1,4結合したL-グルロン酸から構成される酸性高分子多糖である。アルギン酸ナトリウム水溶液は,適当な二価金属イオンを添加するとゲル化することが知られている。しかしながら,ゲル化に及ぼす添加イオン種の影響は明らかでない。本研究では,その影響をレオロジー測定を通して研究した。レオロジー測定は10wt%アルギン酸ナトリウム水溶液に種々の濃度で塩化カルシウム,塩化ストロンチウムを添加した系について,円錐-円板型レオメーターを用いて測定温度25℃で行った。ゲル化するに要する添加塩量は,塩化ストロンチウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウムの順で増加した。これは,アルギン酸に対する二価金属イオンの親和性が,Sr2+>Ca2+>Mg2+ の順で低下するためと考えられる
  • 高津 正久, 山本 忠弘
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1188-1193
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    火災などで生成したすすからもとの燃焼物を識別する研究の一環として,12種の市販プラスチック製品から生成したすすの成分をジイソプロピルェーテルで抽出し,GC/MSによって分析した。その結果,ポリ塩化ビエル(PVC)のすすから含塩素化合物,ポリアクリ導ニトリル,AS樹脂およびABS樹脂のすすからニトリル化合物,ポリプロピレン,ポリメタクリル酸メチル,ポリ(4-メチル-1-ペンテン)のすすから脂肪族炭化水素,ポリカーボネートのすすからビスフェノールA誘溝体などのプラスチック骨格に由来すると思われる特異的な化合物が検出された。これらの化合物は,すすから燃焼したプラスチヅク類の種類を識別するための指標化合物となる可能性が示唆された,また,PVCのすすからフタル酸化合物,変性ポリフェニレンオキシドのすすからリン酸トリフェニルが多く検出され,すすから添加剤の推定も可能と思われた。
  • 長谷川 章
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1194-1197
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The alumina thin films were prepared by the sol-gel method using a 1, 3-butanediol solution of aluminium nitrate. The film usually had a homogeneous flat surface. However, the surface structure of the film obtained after the immersion in a deionized water at 100°C changed to the sponze-like surface texture which was composed of fibrillay particles of 50W100 nm in length. The Al/Si intensity ratio of XRFS of the film surface decreased just after the immersion and then became roughly constant after the immersion of 2 h. Consequently, the change in the surface structure to the sponze-like texture was concluded to be due to 1)the partial dissolution of alumina particles from the substrate, and 2) the subsequent linkage between alumina particles which still remained to form stable fibrallars on the substrate. It was also found that the aluminium amount in the film can be controlled by the solution pH, temperature and the immersion time.
  • 五十嵐 喜雄, 渡辺 伸一, 藤田 力, 坂本 昌巳, 渡辺 昭次
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1198-1200
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    Quantitative structure activity relationship of 2-arylthio-N-methylmaleimides against B. subtilis was examined, and the effects of substituents on benzene ring of those compounds were correlated with bacteriostatic activity. For p-substituted compounds, following correlative equation was introduced Also for o-subsituted compounds, following correlative equation was introduced
  • 安藤 孝夫
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1201-1203
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    In the reaction of bis(4-isocyanatophenyl)methane (BIM) with a diol mixture of poly(ethylene adipate) (Mn=2000) and ethylene glycol (molar ratio=1: 2; NCO/OH molar ratio=1.00)in bulk and in N, N-dimethylformamide (DMF), the effects of reaction temperature on the concentration of allophanate linkages in resulting polyurethanes were studied. When the reaction temperature of polyurethane formation in bulk was higher than 120 °C, increase in the reaction temperature results in decrease in the concentration of allophanate linkages. This phenomenon was explained by that the degradation of allophanate linkages was predominantly proceeded rather than their formation when the reaction temperature is higher. On the other hand, when the reaction temperature of polyurethane formation in DMF was higher than 100 °C, the polyurethane with high molecular weight was not formed because the reaction of BIM with DMF results in the deviation of NCO/OH molar ratio from 1.00. Therefore increase in the reaction temperature of polyurethane formation in DMF was inapplicable to decrease in the concentration of allophanate linkages.
  • 河口 英樹
    1993 年 1993 巻 10 号 p. 1204-1206
    発行日: 1993/10/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    The photochemical formation of hydrogen peroxide in the Kitagata lake water was monitored by a sensitive photometric method using leuco Crystal Violet as a color producing reagent The concentration of hydrogen peroxide increased with irradiation and reached equilibrium values. Suspended solids contributed to the formation of hydrogen peroxide. The decomposition rates of hydrogen peroxide in the dark were very small compared to the formation rates. About 25% of the superoxide generated photochemically did not lead directly to hydrogen peroxide formation.
feedback
Top