日本化学会誌(化学と工業化学)
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7-イソプロピル-4-メチル-1-アズレンメタノールの合成と空気酸化
趙 振東松原 義治野副 鉄男
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1994 年 1994 巻 1 号 p. 49-55

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抄録

7-イソプロピル-4-メチル-1-アズレンメタノール(1)を合成し,その性質について種々検討したところ,1は,高い反応性を持ち,ヘキサンなどの溶液中ではほとんど変化しないが,空気中無溶媒で放置しただけで数種の化合物に変化することがわかった.シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて,1の空気酸化生成物から次の各種生成物を分離精製した.これらの化合物は,電子スペクトル,赤外スペクトル,1H-NMRスペクトルおよび質量スペクトルを測定し,それらの解析結果から構造を決定した.炭化水素としては,7,7'-ジイソプロピル-4,4'-ジメチル-1,1Lメチレソジアズレン(1A1),7-イソプロピル-4-メチル-1,3-ビス[(7-イソプロピル-4-メチル-1-アズレニル)メチル]アズレン(1A2),グアイアズレソ四量体(1A3)(1A31と1A32との混合物として);エーテル化合物としては,7,7Lジイソプロピル-4,4Lジメチル-1,1'-オキシジメチレソジアズレン(1B1),7,7-ジイソプロピル-4,4'-ジメチル-3-(7-イソプロピル-4-メチル-1-アズレニル)メチル-1,1Lオキシジメチレンジアズレン(1B2);側鎖酸化物としては,7-イソプロピル-4-メチル-1-アズレンカルバアルデヒド(1C);アルコール化合物としては,7-イソプロピル-4-メチル-3-(7-イソプロピル-4-メチル-1-アズレニル)メチル-1-アズレンメタノール(1D)などが得られた.1Cを除いて,いずれも文献未載の新規化合物である.

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