日本化学会誌(化学と工業化学)
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(高分子液晶)/(光異性化分子)/(低分子液晶)三元複合系を使用した光メモリーにおける電気光学特性の改善と高速光書き込みの検討
中村 公昭菊池 裕嗣梶山 千里
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1994 年 1994 巻 1 号 p. 81-85

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抄録

側鎖型高分子液晶(SCLCP)と低分子液晶(LMWLC)複合系から成る光スイッチング素子の電気光学特性は注目を集めている.そして,その複合系に光異性化分子を添加した三元複合系は書換可能な光メモリー効果を示す.本論文は,1)高いコソトラストと良好なメモリー特性を得るために,強い凝集力を持つ誘起スメクティックの三元複合系を使用した結果,および,2)高速光書き込みを実現するために,書き込み光源としてYAGレーザーの第三高調波を使用した結果の報告である.液晶基末端に弱い極性基を持つPoly[[6-[4-[(4-methoxyphenyl)oxycarbonyl]phenoxy]hexl]methylsilexane],4-butyl-(4-methoxyphenylazo)benzeneをそれぞれSCLCP,光異性化分子として使用し,液晶基末端に強い極性基を持つ4-cyano-4'-pentyloxybiphenylをLMWLCとして使用した.PS6EM/MPABB/50CB(40/10/50mol%)複合系により読み出しコントラスト300を実現した.Qスイッチ付YAGレーザー(Continuun,NY-60)によって光書き込み時間を従来の10分以上から数秒に短縮することができた,

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