日本化学会誌(化学と工業化学)
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イソキノリン骨格を含むカルバゾール誘導体の合成
長尾 幸徳岡部 哲鈴木 智巳阿部 芳首御園生 堯久
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1994 年 1994 巻 10 号 p. 899-906

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抄録
1,8-ジメチルイソキノリン(1a)および5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[de]イソキノリン(1b)のプロモおよびニトロ置換体を経由するイソキノリン骨格を含むカルバゾール誘導体5a,bおよび9a,bの合成を検討した。
1aの5-プロモ置換体(2a)とアセトアニリドとの銅粉,ヨウ素,炭酸カリウムを用いたUllmann反応により5-アセトアミド体(3a)を得た。この3aを濃塩酸で加水分解してアニリノ体(4a)とした後,酢酸中で酢酸パラジウム触媒による閉環反応によりカルバゾール誘導体(5a)を得た。また,1bからも同様な反応経路でカルバゾール誘導体(5b)を得た。
次に,1aの濃硫酸中における硝酸カリウムとのニトロ化により5-ニトロ置換体(6a)を得て,これを濃塩酸中で塩化スズ(II)で還元して5-アミノ体(7a)を得た。さらに7aを濃塩酸中で亜硝酸ナトリウムによりジアゾ化後,塩化スズ(II)を用いた還元によりヒドラジノ体(8a)を得た。これとシクロヘキサノンとのメタノール中における反応によりカルバゾール誘導体(9a)を得た。また,1bからも同様な反応経路でカルバゾール誘導体(9b)を得た。
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