1995 年 1995 巻 10 号 p. 774-778
MgO表面の配位不飽和性を評価するパラメーターとして,CO導入後の昇温脱離(TPD)実験により得られたCO+CO2の全脱離量に占めるCO比,CO/(CO+CO2)(=R)を提案した.出発物質及び前処理雰囲気を変えた種々調製条件のMgOサンプルについてRを比較した.COガス導入により,COクラスターと炭酸イオン生成反応及び炭素と炭酸イオン生成(Boudouart)反応二つが併発して進行し,各サンブルにおけるRの違いは,これら二つの反応特性の違いに依存する.Rは出発物質としてMgOよりMg(OH)2を用いた場合の方が高い値を示し,また前処理雰囲気を酸素或は水素からヘリウムにする事により高い値を与えた.これらの序列を与える理由は,上記二つの反応の配位不飽和性サイトへの依存性の違いに起因すると考えることにより,すべての実験結果が矛盾なく説明できた.したがってこのRからMgO表面の配位不飽和性の見積もりが可能であると結論した.
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