1995 年 1995 巻 10 号 p. 789-795
CVD法で(100)MgO基板上に合成したエピタキシャル成長PbTiO3およびPZT薄膜の残留ひずみをX線回折を用いて調べた.薄膜のc軸とa軸の格子定数の比(c/a)は粉末に比べて小さかった.これはキュリー点以下の温度での薄膜と基板の熱膨張率差によって生じた熱ひずみに起因している.合成後の冷却時の基板に比べて相対的に大きい薄膜のc軸およびa軸の格子定数の膨張および収縮が大きなひずみを薄膜中に生じさせている.一方,薄膜の不均一ひずみも粉末に比べて大きかった.このことは膜厚方向の格子定数の勾配に起因していると考えられる.
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