日本化学会誌(化学と工業化学)
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1α,3β-ジヒドロキシ-2β-(3-ヒドロキシプロポキシ)-5,7-コラジエン誘導体の合成及びそれを用いた 1α,25-ジヒドロキシ-2β-(3-ヒドロキシプロポキシ)ビタミンD3の合成
橘 陽二
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1996 年 1996 巻 1 号 p. 91-96

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抄録
スチグマステロールより誘導された 23,24-ジノル-1,6-コラジエン-3β,22-ジオ一ル誘導体(5)を出発原料にして2β 位に3-ヒドロキシプロポキシ基が導入された活性型ビタミンD誘導体合成のためのステロイドシントン, 1α,3β-ジヒドロキシ-2β-(3-ヒドロキシプロポキシ)-23,24-ジノル-6-コレン-22-オール誘導体(3)を合成し, 3の利用の一例として 1α,25-ジヒドロキシ-2β-(3-ヒドロキシプロポキシ)ビタミンD3(2)を合成した。5を m-CPBAで選択的に酸化して得た1α,2α-エポキシ体(7)を酸性条件下,プロパン-1,3-ジオールで開環し,3を得た。3を22-ヨード体(11)に変換後,3-メチル-1-フェニルスルポニル-3-テトラヒドロピラニルオキシブタン(12)と縮合後,3工程で2のプロ体,16を得た.16は光照射,熱異性化を行い2に変換した。3をビリジニウムクロロクロマート(PCC)で酸化して対応するC-22アルデヒド(4)を得た。3及び4は他のスルポニル誘導体と反応させることにより2β 位に3-ヒドロキシプロポキシ基を持つ種々の活性型ビタミンD誘導体に変換することができると考えられる。
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