日本化学会誌(化学と工業化学)
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チオカルバミン酸アンモニウム塩を用いたチエタン-3-オール類の新規合成法
奈良部 晋一刈込 道徳葭田 真昭戸田 敬
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1996 年 1996 巻 5 号 p. 462-463

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抄録

2-(1-ハロアルキル)オキシラン(1)とチオカルバミソ酸アンモニウム(2)の反応について検討した。(RS)-2-[(RS)-α-プロモベンジル]オキシラン(1a)と熱フェネチルチオカルバミン酸フェネチルアンモニウム(2a)はメタノール中,室温で反応し,革フェネチルチオカルバミン酸ひ(β-プロモ-α-ヒドロキシフェネチル)(3a)を生成した。さらに, 3a は DMSO 中,フェネチルアミンと反応して,立体特異的に trans-2-フェニルチエタン-3-オール(4a)を与えた。これを拡張して他の 2-(1-ハロアルキル)オキシラン(1b-e,6,10)についても,本反応を用いて相当するチエタン-3-オール類を合成することができた。さらに,チエタン-3-オール類の生成の合理的な反応機構について考察を行い,本反応が 2 を硫黄源として用いるチエタン誘導体の親規な合成法であることを明らかにした。

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