日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
バリウムフェライトの粉砕および焼鈍処理による保磁力発現効果
内田 浩昭徳永 英明小倉 興太郎
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 1997 巻 12 号 p. 857-861

詳細
抄録

バリウムフェライトの保磁力は,試料の遊星ボールミルあるいは自動乳鉢粉砕によって大きく影響される.この影響因子を解析する目的で,焼成試料,粉砕試料および焼鈍処理した試料の磁気ヒステリシス曲線残留磁化曲線およびX線回折パターンを測定した.その結果,遊星ボールミル粉砕では,バリウムフェライトに対して保磁力を高める効果と低める効果の両方が存在した.しかし,自動乳鉢粉砕では,保磁力を高める効果のみが存在した.保磁力を高める効果は結晶粒の配向によるものであり,低める効果は結晶の格子ひずみによるものであることを明らかにした.

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top