日本化学会誌(化学と工業化学)
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ルイス塩基を触媒に用いたトリアルキル(トリフルオロメチル)シランによるカルボニル化合物のトリフルオロメチル化反応
萩原 俊紀小林 利紀渕上 高正
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1997 年 1997 巻 12 号 p. 869-875

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抄録

トリメチル(トリフルオロメチル)シラン(1)を用いたカルボニル化合物のトリフルオロメチル化反応において,アミン,ホスフィン等各種のルイス塩基類が触媒として有効であることを見いだした.アルデヒド類を反応基質として用いた場合はおおむね良好な収率で目的物を与えたが,ケトン類は一般に反応性が低かった.しかし(トリフルオロメチル)ケトン類は高い反応性を示した.このルイス塩基触媒反応はペルフルオロアルキル化反応にも応用可能である.さらにアルカロイド等の光学活性なルイス塩基類を用いたベンズアルデヒドの不斉トリフルオロメチル化についても検討した.シラン1の反応においては生成物の不斉収率は低いものであったが(10%ee以下),かさ高いアルキル基を有するトリアルキル(トリフルオロメチル)シラン類(5)を用いることで不斉収率が向上することが認められた.中でもトリエチル(トリフルオロメチル)シラン(5c)を用いた場合に,最も高い21%eeの不斉収率を得ることができた.

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