日本化学会誌(化学と工業化学)
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共沈法による有機陰イオン架橋型層状水酸化亜鉛の生成
高橋 諭岩佐 貴史金澤 夕子梅津 芳生成田 榮一
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1997 年 1997 巻 7 号 p. 502-507

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抄録

有機陰イオン(An-)の除去,回収あるいは予備濃縮の観点から,共沈法による層状水酸化亜鉛沈殿への固定について定量的な検討を行った.1-250mmoldm-3の有機陰イオンを含む水溶液に,かきまぜながら8-2000mmoldm-3のZn(NO3)2水溶液を滴下し,水酸化亜鉛を沈殿させたところ,セパシン酸やドデカンニ酸のような炭素数の多い飽和脂肪族カルボン酸イオン,テレフタル酸のような芳香族カルボン酸イオンあるいはドデシルベソゼンスルホン酸や硫酸水素ドデシルのような陰イオン界面活性剤が高い共沈率で取り込まれた.最適条件として,Zn2+/A2-比=1.6以上,Zn2+/A-比=3.2以上,pH6-7が得られた.固体生成物の結晶性は,反応温度が低いにもかかわらずきわめて高く,層問距離の大きい層状構造を有していることが明らかになった.これは,有機陰イオン同士が規則正しく配列して一分子層もしくはニ分子層を形成し,負電荷の官能基を水酸化亜鉛基本層もしくはボタラカイト型基本層のZn2+イオンに直接配位した架橋型層状水酸化物が生成するためと考えられた.このような共沈機構から無機陰イオンの共存下でも影響を受けず,有機陰イオンに対してきわめて高い共沈選択性を示した.以上の結果,新しい機構(架橋型層間共沈)による有機陰イオンの固定の可能性が示された.

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