抄録
医薬品製造工程は, 粉砕, 混合, 空気輸送など, 粉粒体を取り扱う操作が多く, 静電気に起因する粉粒体の付着, 凝集などの製造トラブルにしばしば遭遇する. このトラブルの原因究明のため, 粉粒体の輸送状態における帯電量と粉体特性の変化を測定評価する帯電特性評緬装置の開発を行った, この評価装置は, 粉粒体を空気輸送によって帯電させ, 経時的に帯電量を測定できるもので, いろいろな物理化学的特性を有する原薬や造粒物質について評価検討を行った.
その結果, 空気輸送によって変化する帯電量と粉体特性値から粉粒体のパイプ輸送や回転型混合容器等で発生する帯電, 付着が予想できるようになり, 原薬製造における晶析操作条件の最適化, 粉粒体の取扱い操作ならびにプラソトの安全運転に必要なデータの提供が可能となった.