2009 年 11 巻 3+4 号 p. 252-257
近年、軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)が注目されている。その背景にはアルツハイマー病などの根本治療薬の開発が進むことがある。現在よく用いられるMCIの基準は、Petersenらによって定義されたものである。要約すると記憶障害はあっても、認知症とは言えない状態を意味する。
本稿ではMCIの疫学として、有病率、発症率、リバート率、コンバート率について紹介した。さらに診断法と補助診断としての画像診断・体液マーカーの現状を述べた。さらに予後、治療法について最近の知見を記述した。