抄録
【要旨】連続経頭蓋的磁気刺激法(repetitive transcranial magnetic stimulation, rTMS)にはいくつかのパラダイムがあり、初期には一定刺激頻度のrTMSが用いられてきた。また以前より動物実験で用いられていたシータバースト刺激がrTMSを用いて、近年ヒトの大脳皮質の刺激に応用された。rTMSの効果はパラダイムにより異なり、また刺激した部位のみならず投射した部位にもその効果が認められる。一方、古い方法であるが経頭蓋的直流電気刺激法(transcranial direct current stimulation, tDCS)も近年見直され、盛んに行われている。これらの方法は非侵襲的に大脳皮質の機能を一過性に変化させることが可能であり、今後、認知神経科学の分野にもますます応用されることが期待される。