人間ドック (Ningen Dock)
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原著
独自の枕を使用した胃前壁撮影の有用性
木村 美奈子藤井 真紀相良 志穂伊多波 未来飯塚 政弘
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2010 年 25 巻 4 号 p. 612-617

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抄録

目的:頭低位腹臥位二重造影撮影時,胃前壁を広範囲に描出し,かつ逆傾斜を余儀なくされる受診者の負担を軽減するため,私たちは独自の枕を作成しその有用性について検討した.
方法:平成21年当施設を受診した3,535人(平成21年2月~6月)より無作為に抽出した受診者500人に対して,独自の枕を用いて腹臥位二重造影法を行い,胃前壁描出能を同一人物の枕非使用画像と比較した.また胃形の違いによる胃前壁描出能についても検討した.受診者の負担軽減のため透視台の逆傾斜角度は全例10度以内で検査を行った.
結果:透視台の逆傾斜角度が10度以内であっても枕を使用することにより,胃体上・中部から前庭部までの広範囲の胃前壁描出例が有意に増加し,前庭部前壁のみ描出例,胃前壁描出不可例が有意に減少し,すべての胃形でほぼ同様の結果を得ることができた.また,受診者の負担も軽減された.
結論:独自の枕を使用した胃前壁撮影法は,胃前壁描出能を向上させるとともに,受診者の負担を軽減し得る優れた検査法と考えられた.

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© 2010 公益社団法人 日本人間ドック学会
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