人間ドック (Ningen Dock)
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原著
運動頻度と臨床検査値との関係
橋本 佳明二村 梓
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キーワード: 運動, IRI, HbA1c, クレアチニン
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2010 年 25 巻 4 号 p. 671-675

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抄録
目的:運動頻度の臨床検査値に及ぼす影響について検討した.
方法:対象は職域健診受診男性1963名.生活習慣情報は自記式アンケート調査で得た.運動頻度に関しては,運動をほとんどしない,月1~2回,週1~2回,週3回以上からの選択方式とした.
結果:運動頻度と臨床検査値との相関関係を年齢,肥満度,喫煙量,飲酒量で調整して検討したところ,有意の相関を示した検査項目は相関度の強い順に免疫反応性インスリン(IRI),クレアチニン,HDLコレステロール,ALT,コリンエステラーゼ,トリグリセリド,総コレステロールであった.HbA1cやAST,γ-GTP,尿酸,血圧との相関は認められなかった.運動頻度別調整平均IRI値は運動を殆どしない群4.95μU/L,月1~2回群4.48μU/L,週1~2回群4.42μU/L,週3回以上群4.09μU/Lで,殆どしない群と比較し他のいずれの群も有意に低値であった.
結論:これらの結果より運動頻度に最も影響を受けやすい検査項目はIRIで,月1~2回の運動でもインスリン抵抗性が改善する可能性が推察された.
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© 2010 公益社団法人 日本人間ドック学会
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