人間ドック (Ningen Dock)
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総説
人間ドック健診ビッグデータに基づく生活習慣病の治療状況
髙橋 英孝
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2014 年 28 巻 5 号 p. 732-743

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抄録
目的:人間ドックデータベース(2009年)を用いて,脂質異常症,高血圧,糖尿病で薬物療法中の者における治療状況を明らかにした論文のレビューを行った.管理目標値は日本動脈硬化学会,日本高血圧学会および日本糖尿病学会によるガイドラインに従った.
結果:1. 脂質異常症治療者(17,694人)の脂質管理状況:管理目標達成率は,LDL-C 72.3%,TG 69.7%,HDL-C 94.6%であった.2. 高血圧治療者(31,754人)の血圧管理状況:管理目標達成率は45.2%であった.また,140/90mmHg未満の割合は69.8%であった.3. 糖尿病治療者(7,020人)の血糖管理状況:管理目標達成率は44.8%であった.4. 生活習慣病治療者におけるコントロール不良に影響する要因:脂質異常症,高血圧,糖尿病で治療中にも関わらずコントロールが不良な要因として複数の生活習慣が挙げられた.
結論:我が国の生活習慣病治療者の管理状況は十分とはいえない.疾病の進展および合併症発症を予防するためには,行動変容を含むさらに厳格な治療が必要である.
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© 2014 公益社団法人 日本人間ドック学会
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