抄録
目的:大腸内視鏡検査受診者の苦痛や身体への侵襲が少ない前処置方法の1つとして体位変換を取り入れ,その有効性を検討する.
方法:2010年5月~2011年6月までに1次検診にて免疫学的便潜血陽性となり,下部消化管内視鏡検査が必要となった者について,前処置時に左側臥位を取り入れる群(左側臥位5分群と左側臥位15分群)と左側臥位を取り入れない群(非実施群群)の3群に割り付け,検査当日の腸管洗浄剤内服開始から検査可能と判断した平均前処置時間,検査当日の腸管洗浄剤の平均内服量,内視鏡検査時の平均腸管残留液吸引量,腸管洗浄度の比較検討を行った.
結果:腸管洗浄剤内服開始から検査可能と判断した平均前処置時間は,非実施群145.2分,5分群144.1分,15分群157.1分であり,3群で有意差は認められなかった.洗浄剤の平均内服量も非実施群1,996mL,5分群1,935mL,15分群1,891mLであり3群で有意差は認められなかった.腸管洗浄度良好となった割合は,15分群が90.0%と最も多く,次いで5分群は77.2%,非実施群群は33.0%であった(p<0.01).
結論:左側臥位は前処置において有効であると考えられる.