抄録
目的:子宮頸がん検診の受診率に影響する要因を検討した.
方法:武田病院グループ医療機関に勤務するすべての女性職員のうち同意を得られた対象者に,質問紙を用いた無記名調査を実施した.調査項目は,①年齢・職種,②子宮頸がん検診受診の有無とその理由,③子宮頸がんとHPV検査に関する知識(10項目),④HPVワクチンに関する知識(5項目)とした.
結果:女性職員約2,000人に調査紙を配布し,回収は1,872人だった.うち有効回答1,846人(98.6%)の年齢は,20歳代517人(28.0%),30歳代508人(27.5%)で半数以上を占めた.職種は看護職員が758人(41.1%)だった.子宮頸がん検診受診者は1,009人(54.7%)で,その理由は「健康管理のため」467人(46.3%),「検診補助制度の利用」230人(22.8%)だった.一方未受診は837名(45.3%)で理由は「検診の機会がない」644人(76.9%),「自覚症状がない」497人(59.4%)だった.子宮頸がん検診受診者は未受診者に比べて,市民検診補助制度の認知度が高かった.
結論:子宮頸がん検診受診者は未受診者に比べて,市民検診補助制度の認知度が高かった.