2015 年 29 巻 5 号 p. 737-741
症例は64歳女性,当院健診部を受診し,胸部X線検査および低線量胸部MDCT検査にて,第7胸椎レベルの左胸腔内背側に円形または楕円形の石灰化腫瘤影を認めた.自覚症状はなかったが,2年前の胸部CT画像を再検討したところ,今回の第7胸椎レベルの腫瘤影は認められず,第11胸椎レベルの左胸腔内背側に同様の腫瘤影がみられ,胸腔内を大きく移動していることが確認できた.結果,胸腔内結石(胸腔内遊離体)と診断された.胸腔内結石の報告例は少なく,胸部CT検査によって確認できた稀な症例と考えられる.