人間ドック (Ningen Dock)
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原著
胃内視鏡検査精度向上のためのプロナーゼを用いた簡易前処置法の開発
船津 和夫前澤 純子秋山 ゆかり田幡 恵利子山下 毅近藤 修二小原 啓子水野 杏一太田 恵介廣田 尚久山田 博松井 泰子松下 多賀子池谷 由美子
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2016 年 30 巻 5 号 p. 841-846

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抄録

目的:胃内視鏡検査は今後,胃X線検査に代わって任意型ばかりでなく対策型胃がん検診でも広く実施されることが予想される.胃内視鏡検査において,胃粘膜に大量の粘液が付着すると,胃粘膜の観察が十分できなくなり,微小病変の見落としを招く危険がある.プロナーゼの前処置により,有泡性粘液を含む胃粘液が効果的に除去され,検査時間の短縮,見落としのない精度の高い検査が施行可能となり,早期胃がんの発見に有用とされてきた.これまで,プロナーゼの溶解には重曹水が使われ,手技が煩雑であったが,我々は重曹水の代わりにアルカリイオン水を使用した簡便な方法を開発した.
方法:アルカリイオン水および重曹水でのプロナーゼの安定性を比較検討した.また,胃内視鏡検査が必要となった406例を対象に,プロナーゼの胃粘液除去効果についてアルカリイオン水と重曹水での比較検討を行った.
結果:アルカリイオン水に溶解したプロナーゼの活性は重曹水と同等であった.胃内視鏡検査においても,アルカリイオン水は重曹水と同等の胃粘液除去効果が認められた.
結論:重曹水に伴う特異な味がないことから,アルカリイオン水を用いたプロナーゼによる前処置が胃内視鏡検査の精度向上のための簡便な方法として有用と考えられた.

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© 2016 公益社団法人 日本人間ドック学会
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