抄録
目的:当院で行っているがん検診の有用性および問題点を明らかにするために,当院の地域がん登録データに基づいて検診発見がんと一般外来発見がんについて比較検討した.
方法:平成24年1月から平成27年12月までの4年間の地域がん登録患者568症例を対象にして,検診発見がんと一般外来発見がんの比率および両群の臓器別分類,病期別分類および予後について比較検討した.
結果:食道・胃がんの病期別分類は検診発見がんではisとstageⅠが併せて100%であり,一般外来発見がんではstageⅠが32.1%であって,stageⅢおよびⅣに分類される進行がんが合わせて50%以上みられた.大腸がんの病期別分類では,検診発見がんおよび一般外来発見がんいずれともに早期がんが最も多かった.しかしstageⅢ,Ⅳについてみると一般外来発見がんでは検診発見がんの約2~3倍であった.前立腺,腎,膀胱の泌尿器系のがんでは,検診発見がんは早期がんが59.8%を占めていたが,一般外来発見がんでは早期がんが33.8%とそれより低率であった.
結論:当院でがん検診の対象としている臓器(大腸,胃,前立腺など)では,発見されるがんは早期である割合が高く,がん検診の有効性が実証された.しかし当地域のがん検診の受診率はなお低値であり,今後も積極的な啓発活動が必要である.