人間ドック (Ningen Dock)
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原著
健康Webサービスを利用した継続的な支援の検討
橋口 しのぶ古橋 啓子坂東 知里村上 友美請井 久仁香松本 順子鳥羽山 睦子武藤 繁貴福田 崇典
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2017 年 32 巻 3 号 p. 511-516

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抄録
目的:2013年8月よりセルフケア力の向上を目的とし健康Webサービス「QUPiO for 聖隷」を導入し,Web活用の有効性について検討した.
対象・方法:2013年度から2015年度の3年間継続受診した人間ドック受診者18,248名中2013年度にWeb登録し,記録機能を利用している受診者1,199名(6.6%),3年間継続受診しているがWeb未登録者17,049名(93.4%).体重,BMI,腹囲,血圧,血液データ(中性脂肪,HDLコレステロール,LDLコレステロール,空腹時血糖,HbA1c,AST,ALT,γ-GTP),生活問診データの比較をした.
結果:登録・利用者は,幅広い年代に分布し,体重や歩数を記録していた者が多かった.登録群と未登録群の検査値の比較では,登録群の方が年齢が低く体重が多かった.さらに,体重とBMIは,利用頻度の最も多い群で,月1回未満の利用頻度の少ない群と比べ有意に減少していた(p<0.01).AST,ALTは,未登録群より月に0~1回以上利用群が有意に減少していた(p<0.01).Webサービス登録2年後の生活問診の変化をみると,歩行または同等の身体活動は,すべての群において増加したが,週に1回以上記録活用群は増加率が高かった.
結語:Webサービスを積極的に利用している群で,いくつかの検査データの有意な改善がみられた.
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© 2017 公益社団法人 日本人間ドック学会
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