人間ドック (Ningen Dock)
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症例報告
人間ドックで発見されたガーゼオーマの一例
籠島 智寺田 総一郎髙木 昭房髙橋 定雄遠藤 久子高階 経幸北川 幸子山﨑 知子鈴木 俊雄
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2019 年 34 巻 1 号 p. 64-69

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抄録

 今回我々は,他院での胆嚢摘出術による無症状のガーゼオーマを経験したので報告する.

 症例は50歳男性.20年前に他院にて胆嚢結石による胆嚢摘出術を施行していた(腹膜炎合併).当健診センター腹部超音波検査で,肝下面,腹部大動脈および胃近傍に40×38mmの腫瘤が認められた.腫瘤は境界明瞭,辺縁整,内部不均一な低エコーを示し,また,内部に不整形な高エコー部分を伴っていた.周辺臓器と接しているが由来は明らかではなかった.外来でのCTおよびMRI検査でも,同部位に腫瘤を認め,腫瘤内部に一部分であるが,ガーゼの折り畳み構造を示すfolded fabric appearanceの画像所見も認められた.PET検査では,腫瘤に明らかな集積亢進を認めず,活動性の低い病変と考えられた.手術が施行され,組織学的検査にてガーゼオーマと診断された.

 ガーゼオーマは,様々な合併症を引き起こす.手術室での遺残防止対策が十分普及していなかった頃の遺残物が,無症状のまま看過されていることも念頭に置き,人間ドックにおいても十分注意を払いながら検査に努める必要がある.

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© 2019 公益社団法人 日本人間ドック学会
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