2020 年 35 巻 1 号 p. 60-65
目的:便潜血陽性者への受診勧奨時,痔を理由に精密検査を前向きに検討頂けない受診者が多いと感じ,痔の現病歴・既往歴・自覚がある受診者の精密検査結果を追跡し,積極的な精密検査促進について検討した.
方法:2016年4月~2018年12月に当センターで便潜血検査(2日法)を受けた110,813名を対象とした.現病歴・既往歴に痔核がある・受診勧奨時に痔の自覚があると申し出があったグループAと,現病歴・既往歴に痔核がない・受診勧奨時に痔の自覚があると申し出がなかったグループBの2グループに分け,精密検査受診率,有所見率および,異常所見の内容について,比較検討した.
結果:グループAの精密検査受診率は39.2%(237/604),グループBの精密検査受診率は46.5%(2,361/5,082)であり,グループAで有意に(p<0.001)低かった.しかし,精密検査結果はどちらのグループも,約40%に大腸ポリープ,約2%に大腸がんが認められ,有意差はなかった.
結論:大腸がんの予防・早期発見・早期治療のために,痔の自覚がある受診者に対しても積極的に精密検査を受診して頂けるよう促進していくことが重要と考えられる.