2021 年 36 巻 1 号 p. 7-18
大腸CT(CT colonography: CTC)は,大腸腫瘍の検出能は内視鏡検査に劣らない精度を有し,撮影者の技量や経験に検査の質が影響されず,低侵襲性で安全な検査であることからスクリーニングに適している.CTCは便潜血陽性者の精密検査として期待されるが,人間ドック等の一次スクリーニングにも有用と考えられる.日本のCT設置台数は世界一を誇り,2011年に自動炭酸ガス送気装置の薬事承認,2012年にCTCの保険収載,2016年にCTC専用バリウム造影剤が薬機承認され,CTCが普及するインフラは整備されている.しかしながら,前処置の多様化,放射線科医不足など課題は多い.日本の大腸がん死亡数は未だに増加しており,大腸がん死亡率を減少するには,受診率および精検受診率の向上が重要である.受容性が高く安全なCTCは,低迷する受診率および精検受診率を向上させる検査法として期待されている.今後大腸がん死亡率減少を達成するため,便潜血検査を中心に行われてきた大腸がん検診にCTCを効率よく介入させ,実効性のある体系的な検診システムを構築することが肝要である.