2021 年 36 巻 1 号 p. 19-25
目的:触診により指摘した甲状腺結節と,頚動脈エコーで指摘した甲状腺結節の現状を把握し,甲状腺結節スクリーニングのための妥当な検査法について検討する.
方法:2018年5月1日からの1年9ヵ月間に新久喜総合病院健康管理センターの院内健診利用者16,717名のうち甲状腺結節を要精査判定とした51名を調べた.このうち48名が新規発見例であった.それを重複なく健診時触診発見群と健診時頚動脈エコー発見群に分けてデータ集計した.
結果:新規発見例48名の内訳は触診発見群が20名,頚動脈エコー発見群が28名であった.結節の最大径の平均値はそれぞれ前者が2.4cm,後者は1.5cmであった.触診発見群で精査結果が把握できたのは19名で細針穿刺吸引細胞診施行数が10名,内がん2名だった.一方,エコー発見群で精査結果が把握できたのは20名で細針穿刺吸引細胞診施行数が12名,内がん2名だった.手術が必要な甲状腺がんが両群それぞれ2名見つかった.
結論:1年9ヵ月間に頚部触診で手術が必要な甲状腺がん2名見つかった.甲状腺超音波検査は検出感度が高いが過剰診断の指摘もあり人間ドックでは一般的でない.人間ドック・健診で受診者全員に頚部触診が実施されれば,触診で発見される甲状腺がんが増え,甲状腺結節を発見する意義も高い.