2021 年 36 巻 3 号 p. 395-401
目的:2017年10月の開設より導入した大腸CT検査(CT colonography: CTC)における被ばく線量低減の試みについて報告する.
方法:2017年10月から2020年3月に施行した検診CTC99例を対象とした.撮影条件の変更を行った時期により3期間:2017年10月~2018年8月の11ヵ月(期間A):2018年9月~2019年5月の9ヵ月(同B):2019年5月~2020年3月の同11ヵ月(同C)に区分した.期間Aは20例(平均年齢50.1歳,平均体格指数(body-mass index: BMI)23.4),管電圧120kV,SD値(標準偏差)20,期間Bは20例(45.3歳,BMI23.9),BMIに応じて管電圧とSD値を変更(BMI≧25で120kV,SD値30,20≦BMI<25で120kV,SD値40,BMI<20で100kV,SD値45),期間Cは59例(47.8歳,BMI23.0),120kV,SD値30にて各期間検査施行した.各期間の腹臥位Dose-Length Product(DLP)(mGy・cm)および実効線量(mSv)を算出した.
結果:期間AにおいてDLP101.5,実効線量5.0,期間BではDLP45.1,実効線量5.1,期間CではDLP47.1,実効線量4.5であった.
結論:今回,3期間にわたり撮影条件を変更して検査施行を行った.管電圧を120kV,SD値30と設定することで実効線量は4.5mSvまで低減されかつ画像ノイズも診断・読影に支障をきたさない値を設定することができた.