2022 年 36 巻 5 号 p. 637-649
どの医学分野でもそうであるが,臨床糖尿病学も日進月歩である.本稿では,ここ数年の臨床糖尿病学におけるトピックスを取り上げて概説した.すなわち,①スティグマとアドボカシー,②クローズドループ,③ Ambulatory Glucose Profile(AGP),④糖質制限食,⑤Sedentary行動時間の減少,⑥SGLT2阻害薬の躍進,⑦GLP-1受容体作動薬の躍進,⑧超・超速効型インスリンアナログの登場,⑨ミトコンドリア機能改善薬の登場,⑩減量・代謝改善手術の普及である.また,⑪その他(特定保健指導,持続血糖モニタリング(Continuous Glucose Monitoring: CGM),食後高血糖)についても触れた.これらの事項は近い将来,初期研修医レベルが知識として持っているという時代が到来するであろう.