2022 年 36 巻 5 号 p. 650-655
目的:喫煙と肥満は,血球検査に大きな影響を及ぼす生活習慣であるが多数例での詳細な報告は少ない.喫煙と肥満が血球に及ぼす影響を検討した.
方法:2019年4月1日から2020年3月31日までに高岡健康管理センターで健診を受け,妊娠者と喫煙の有無とBMIが不明のものおよび精密検査で骨髄増殖性疾患と診断された者を除外した男性3,969名,女性3,722名を対象とした.白血球数,赤血球数,Hb値,MCV値,血小板数に関して,BMI,喫煙本数,CRP値,飲酒量との関連について男女別に重回帰分析を行い検討した.
結果:血球の重回帰分析では,喫煙は男性では有意に白血球数,血小板数を増加させ,Hb,MCVを上昇させ,女性では有意に白血球数,血小板数を増加させた(それぞれp<0.001).BMIの増加は有意に白血球数,赤血球数を増加させ,Hbを上昇させ,MCVを低下させていた(それぞれp<0.001).また女性ではBMIの増加は血小板も有意に増加させていた(p<0.001).白血球への影響はBMIより喫煙の方が大きかった.逆に赤血球への影響は喫煙よりBMIの影響が大きかった.1日20本の喫煙は,男性で1,582/μL,女性で2,468/μLの白血球を増加させ,男性で0.2g/dLのHbを上昇させると推測された.またBMIは10kg/m2あたり男性で444/μL,女性で620/μLの白血球を増加させ,男性で0.8g/dL,女性で0.5 g/dLのHbを上昇させると推測された.
結論:喫煙と肥満は,有意に血球検査に影響を与えていた.白血球は特に喫煙の影響が,Hbは肥満の影響が強かった.