2022 年 36 巻 5 号 p. 663-671
目的:糖尿病重症化予防は国や自治体の喫緊の課題となっている.そこで,健診機関と糖尿病治療の専門性をもつ医療機関との直接連携により健診で高血糖要受診と判定された方を受診に導くこと,専門外来の受診による初期教育などで糖尿病重症化予防を図ることを目的とした仁戸名糖尿病コントロール研究を2018年に起ち上げた.今回は高血糖未受診者に対する健診当日の保健師による積極的介入の成果を報告する.
方法:前年の健診で高血糖要受診とされた者をあらかじめ抽出し,健診当日に該当者の血糖値を即時把握する.再び血糖が受診勧奨域でかつ医療機関の受診が確認できない者に対し,健診中に保健師から糖尿病の詳しい病態説明を含めた保健指導と,さらに糖尿病専門外来の受診をその場で予約する積極的介入を行い,対象者の医療機関受診と耐糖能に対する効果を検証した.
結果:2017年にのべ32,441名が健診を受診し,高血糖要受診とされた者は938名であった.このうち翌年に健診を受診した488名の血糖値を即時把握し,再び受診勧奨域でかつ医療機関の受診が確認できなかった250名の動向をさらに翌年の受診時に確認したところ,前年に保健師による積極的介入ができた群では積極的介入ができなかった群に比べ,医療機関の受診を確認できた者が有意に多かった(p<0.00005).
結論:高血糖要受診と判定されながら医療機関への受診に結びつかない者に対する受診勧奨に,健診当日の保健師による積極的介入は有効である.