日本草地学会誌
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研究報告
航空機リモートセンシングによるハイパースペクトルデータを用いた飼料用トウモロコシ(Zea mays L.)の収量と飼料成分含有率の推定
中坪 あゆみ田中 勝千三谷 歩石岡 義則杉浦 俊弘皆川 秀夫嶋田 浩
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2014 年 60 巻 3 号 p. 167-177

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抄録

航空機リモートセンシングから得られた乳熟期のハイパースペクトル情報(RS, radiance spectral ; FDS, first-derivative spectral)に多変量解析を適用し,収穫期のトウモロコシの収量と飼料成分の推定を試みた。その結果,観測波長域(400-1,000nm)のRSまたはFDSを用いた場合,実測値と推定値とのR2cvは最大で0.18,EIランクはDであった。一方,選択バンドの場合,R2cvは最大で0.72(p < 0.05),EIランクはBと高かった。また,選択バンドの場合,RSよりもFDSを用いることで推定精度の向上が見られた。以上から,スペクトル情報にバンド選択と一次微分処理を施すことは土壌露出やミクセルが問題となる航空機リモートセンシングにおいて有用な手法であり,収穫期よりも約40日前のハイパースペクトル情報から収穫期のトウモロコシ収量,粗タンパク質,総繊維および灰分を推定できる可能性が示唆された。

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© 2014 日本草地学会
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