抄録
近年,萎縮性胃炎や十二指腸潰瘍,分化型胃癌の発症とヘリコバクター・ピロリ(HP)感染との関連に注目が集められている。
当院人間ドック胃内視鏡実施で有所見者の一部にHP診断法の一つであるウレアーゼテストを実施した。胃,十二指腸潰瘍や,びらん性胃炎の症例では,HP陽性率が高かった。HP陽性者のうち有症状は1名のみであった。
人間ドックの役割の一つに「疾病の早期発見・早期治療」への結びっけが挙げられる。今後,この様な検査の導入が,人間ドック利用者のHP菌や,それに関連する消化器疾患の関心を高めその治療に対する理解をも深める一因になると期待される。