1999 年 14 巻 1 号 p. 78-82
私たちはこれまで,尿を対象とし,17-KS-Sと17-OHCSの同時測定は生体の適応の歪み,ストレス対応の動的把握に有用とし報告してきた。生活習慣の中で重要な位置を占める食事・栄養と17-KS-Sとの関わりをみると,(1)日常的な生活の中にあって,食事の過不足,朝食抜きはそれぞれ17-KS-Sの低値,低値の持続をもたらし,ストレス対応(適応能)の低下が示唆され,また,(2)入院患者において栄養補給ならびに気分の高揚,生きる意欲に伴う食欲増進は,17-KS-Sの上昇をもたらし,ここに,特にcureよりcareにいたるひとストレス対応における食事・栄養管理の重要性が示された。